東京エスメラルダ

オトナによるオトナだましぃな日記 @田舎

四十路でハイスペ男性と結婚した女性のその後

知人の千尋さん(仮名)は地元で地味なOL生活を送っていました。

彼女自身華やかな容姿・スタイルではなく、性格も暗く(ごめんなさい)、

もちろん彼氏いない歴も長く、40過ぎまで家と会社の往復の毎日でした。

 

そんな彼女にある日ご縁談が持ち上がったのです。

 

お相手は3歳ほど年上の、有名大学卒・一流企業にお勤めの未婚男性。

ハンサムではありませんでしたが、

それまで千尋さんが付き合ったこともないようなハイスペック男性でした。

 

お相手の和人さん(仮名)は千尋さんがよく行くお店の女将さんの甥っ子さんで、

「うちの甥っ子まだ独身なんだけど、年頃が合うしお見合いしてみない?」と

千尋さんにオススメしたことがきっかけで出会いました。

 

千尋さんも和人さんも同郷で互いの実家も近く、

年も3歳差くらいでちょうどいい。

2人とも地味で堅実で順応な性格だったため周囲の勧めのままお付き合いを始め、

そして和人さんの叔母さんの猛プッシュで2人はすんなり結婚しました。

 

正直、千尋さんは普通に生活していたら

このようなハイスペック男性に出会って見初められることはなかったでしょう。

アラフォーの相手としての条件はいいし、家族もぜひ嫁に来てと迎えてくれるし、

人も羨むご縁談ということで、自らもここで手を打つのが妥当と考えました。

 

和人さんもまた高学歴・高収入にもかかわらず、

女性に対して弱気な性格でアラフィフまで侘しい独り身でした。

周囲から強引にまとめ上げられた形ではありましたが、

恋愛よりも老齢の親を安心させるためにもそろそろ身を固めようと決心。

とっくに婚期を逃していた奥手な2人には、これが運命だったのかもしれません。

 

千尋さんは結婚と同時に田舎から東京に引っ越し、

それまでの実家暮らしの侘しい事務員のオバさんだった生活から一転、

大手企業の本社勤務夫の妻として素敵なアーバンライフを送るようになりました。

 

我々アラフォーに夢と希望を与えてくれる明るいお話ですわね!

 

ところが、でございます。

 

結婚6〜7年ほど経った頃でしょうか、

和人さんが会社からリストラされてしまったのです!!

 

まだ50代で隠居するには先が長く、

家のローン返済のためにもまだまだ働かねばなりません。

加えて、同じ時期に各々の両親が順番に体調を崩していきました。

和人さんも千尋さんもお互い家督を継ぐ者同士でなので、

夫婦2人で両親4人を介護しなくてはなりません。

 

千尋さんのミラクルゲットドリームライフに突如として暗雲が立ち込めました。

 

和人さんはなんとかリストラを回避して社に残りたい気持ちが強く、

転職活動にはあまり積極的ではありません。

このままだと次が決まらないまま退職になってしまいます。

千尋さんも一家を支えるほどの職業スキルもやる気もありません。

 

さらに2人の仲を息苦しいものにしているのが嫁姑問題です。

 

四十路の千尋さんを喜んで迎え入れてくれた和人さんの実家と

結婚後に関係を崩してしまい、今では年始のご挨拶も行かないそうです。

和人さんのご両親がそれぞれ体調を崩された時も

千尋さんは嫁として介護することはありませんでした。

今後も夫の両親の介護を手伝いたくないと思っています。

和人さんは不満に思いながら、

休日に1人故郷に帰り、親の入院手続きや準備などをしているそうです。

 

友人の間では、2人はもう離婚秒読みだと言われています。。。

 

・・・

家庭や夫婦の問題は当人たちにしかわかりませんが、

なかなか厳しいお話だなあと複雑な気持ちになりました。

 

あまり恋愛経験がない同士で年をとってからのお見合い結婚は良いと思います。

しかし、二人とも年齢の割には考えが幼いなと思いました。

 

和人さんは夫として息子として家を背負い統制する力が足りないと思います。

リストラについて早急に対策を打たねばなりません。

50代で再就職先が難しいことを想定して、

まず自身の収入維持を最優先にしなくてはいけないと思います。

その上で、自身の両親のサポートをしてくれるよう、

夫として妻にきちんと言い含めなければならないと思います。

夫婦のマイホームの購入時に両親から多額の援助を受けているのです。

 

千尋さんも妻や嫁たる覚悟が足りないと思います。

感情のもつれはあったとしても親は親、しかも老齢ですし援助も受けたのです。

和人さんのリストラは本当に不運でしたが、

夫の気持ちを切り替えさせ、安心して転職活動をしてもらうためにも、

不安の種を半分引き受けるくらいのことは、

妻としてというよりも家族として当たり前だと思います。

 

千尋さんと和人さんも長い独身歴の末の結婚でしたが、

自分のスタイルをなるべく崩さないですむ相手と結婚し、

そして様々な結婚の現実に直面し、

自分のスタイルを変えられないためその生活を危うくしています。

 

独身歴の長い人の特徴として前から思っていたことですが、

2人分の大きな幸せと大きな苦労を2人で分かち合って生きるよりも、

1人分の小さい幸せと小さい苦労を1人で背負って生きる方がマシ、

その方が楽だと考えている人が多いなと。

 

アラフォーの人生は例えるなら晩夏・初秋に差し掛かっていると思います。

これからまもなく人生の秋や冬がじわりじわりとやってくるのです。

老いなどの危機は誰にもやってきます。

せっかく結婚したのですから1人ではなく夫婦で乗り越えなければね。

安定した生活を送りたいから、親を安心させたいから、条件がいいから、

アラフォーからの結婚はそれだけでは済まされないなとつくづく思いました。