東京エスメラルダ

オトナによるオトナだましぃな日記 @田舎

平成最後の日に昭和アラフォーのボヤキ

貧しくなったな〜と思います、自分ではなく国が。

 

親世代は高度成長期を担い、私たちの子供時代はそこそこ豊かだったと思います。貧困も虐待も事件も今と同じようにありましたが、社会全体としては希望に向かって邁進する最中にあったように感じます。

バブルを体感した先輩は言っていました、今の若い子は世の中の素晴らしい物事を知らなくてかわいそうだと。自分たちはお金の力でたくさんの楽しいことを体験できた、それを知った上で今の落ち着いた暮らしを選択しているけど、今の若い子は生まれた時から社会が豊かだった時が一度もない、情報として知っていても体験できていない、選択的にミニマムな暮らしをしているのではなく、天井が低い時代に生まれて窮屈な暮らし以外したことがない、それなのに情報化社会で自由にやれ創造的になれと言われ現実とのギャップに苦しんでいると。

 

バブル時代私はまだ子供だったので自分がお金を扱って豊かさを実感することはなかったけれども、食べるに困ることはなかったし、学校も行かせてもらえたし、全体的な社会や家庭や日常の価値観として、がんばれば報われるし、辛いことがあっても我慢してお正月やボーナス出た時や誕生日くらいはちょっと贅沢しようねって、アップダウンや角度は人ぞれぞれでも確実に「右肩上がり」の感覚を持っていたように思います。

そして平成に入ったところでバブルが崩壊し、大人になれば就職難で賃金も上がらず金利も上がらず、いつまでたっても日本が経済的に回復せず、働けど働けど貧しくなりっぱなしの平成を実体験として生きてきました。

平成が終わる日にボヤきたくもなります。平成生まれより、昭和生まれの我々アラフォーが平成を作ってきました。20代30代という人生で最も活力がある年代に歯車となって必死に生きて働いて納税してきた。なのに今や自分たちの年金がもらえるかどうかもわからない国力となり、失われた氷河期組とか言われています。一番平成という時代の割りを食ったのは私たちアラフォーだと思います。

 

豊かな時代に富や権力を築いた人に問いたいです。あなたたちは既に得ていたその力で、平成という時代をどう導いたのか。どんな素晴らしい社会にしてくれたのか。私は力のない若い駆け出しだったから、平成の時代の権力者が導く社会の歯車として必死に生きました。

そしていまどうでしょう。田舎では産業がない。いい大人が年金暮らしの親の家で暮らすしかない。結婚する資金もない、子供を育てるなんて夢。鬱々と、低い天井の時代の狭い環境で閉塞感にまみれて暮らしている。東京という都会も、田舎で夢見るような素敵なところではありません。同年代の人も若いインターンも、優秀な人は結局海外に出ていきます。昔のように海外で少し箔をつけて戻って来るという考えではなく、世界の好きなところで生きるつもりで日本を出て行くのです。高い次元で生きる彼らに言わせると「日本はオワコン」らしいです。

平成の時代を導いたおじいさんたちに聞きたい、今の惨状をどう回復するおつもりですか。優秀な若者を古い方針で押しつぶして海外にくれてやり、働きたい母親や女性の職場復帰や昇進のための制度整備を今だに実現できず、低賃金で長時間労働に縛り付けられた人が自殺したり賭けのようなフリーランス生活へ離脱していく。私たちアラフォーは、この先「老いても生きていていい存在」でいられるのか甚だ不安でなりません。

 

 

いまの私は安穏と暮らしていますが、リスクを考慮に入れても他国での永住権を獲得しておくことを検討し、手間が増えることになっても自給自足の生活が可能な超田舎の土地家屋の相続を受けておこうと考えています。

これは単に老後の暮らしの不安への対処ではありません。それとは別種の危機感が、平成を底辺で生きたわたしの中に生まれているからです。

こんな考えを持つようになったことを心から残念に思っています。下流老人だ孤独死だの個人的な問題を抱えることは自分の生き方の結果なので仕方がありませんが、まさか国外脱出や疎開の懸念を持つようになるとは思いませんでした。

銀行も郵便局もこぞって外貨での投資を進めるではありませんか。持っていないよりはマシだけど、持っていたって円の価値は下がり続けますと。悲しいです。自分の国の貨幣の価値が落ちていくなんて。なんのために必死で働いて貯金したんでしょうか。

 

なにかが滅びるのは希望がなくなった時だと思います。

絶望した時だと思います。

ひしひしと、この国で年を取ってゆくのが恐ろしくなります。

それが、昭和生まれのアラフォーである私の「平成」でした。

 

さよなら平成、日本特有の節目に統計的な運気というものがあるならば、

ひとつの悪しき循環が終わることを祈ります。

新たな希望が生まれることを願います。