東京エスメラルダ

オトナによるオトナだましぃな日記 @田舎

事実婚アラフォーにドラマ「きのう何食べた?」が刺さる件

春に大人気となったTVドラマ、当時は見逃してしまいましたが、

アマゾンプライムにお目見えしたので視聴してみました。

そしたら・・・刺さる・・事実婚の40代おばさんに刺さりまくりでした。

 

イカップルの日常を食卓を基軸に描いたほっこり系ストーリーですが、

・主人公が45歳と中年カップルの話だということ

・結婚という安定を得られない不安があること

上記2点において、私ごとですが事実婚の自分たちに置き換えて、

少し感情移入してみてしまいました。

 

もう若くないからと健康とか貯金とか細かいシビアな目線で物事を考えたり、

「普通の」結婚を目指していないことをいい加減だと親に責められたり、

でも幸せに仲良く暮らしていることを親に見せたい安心してほしいと思ったり、

法で縛る関係じゃないから別れるハードルも低くてどうなるかわからない不安とか、

だからこそ今の幸せって貴重でかけがえがないものだなと大事に思えたりとか。

 

これ、アラフォーで事実婚のうちと同じ状況だわ〜って、

うう、なんどか涙腺がゆるんでしまいました。

 

女性からのアプローチ避けのために既婚者のフリをする目的で

おそろいのマリッジリングを買う話がありました。

私も外出するときは必ず彼にもらった指輪を薬指にして出かけます。

彼氏にもらった指輪を左手の薬指にはめるというロマンティックな理由もありますが、

田舎に来てからは特に外向けの既婚者アピール(のフリ)のためにしています。

 

スーパーで、バスで、病院で、カフェで、

彼と一緒にいるアラフォーのおばさんの左薬指がないと、

確かに「アラ?」という顔をされるのです。

名字が違うと「ご家族でいらっしゃらないんですか?じゃあダメです」

などと、どーでもいい店の会員カードを作るだけでも手間がかかります。

 

籍を入れてないだけで家族ですし夫婦と同じです。

それをアピるために薬指に指輪をしますし、

どーでもいい会員登録には「夫の名前」で申し込みます。

指輪1個で世の中が納得して放っておいてくれるならそうします。

 

事実婚などといういい加減で女に不利な関係はよろしくないと言われますが、

法律婚したって離婚するときはしますし、

子供がいたって慰謝料も養育費も男に払ってもらえないことも多いんです。

 

法で縛られない関係だから逆に大切にしようと思います。

簡単に壊れてしまうから軽はずみな言動は慎むように気をつけるし、

続けるには絶対に努力が必要だと常に意識しているし、

ドラマの話にもあったように、

ひとりぼっちでワンプレートの食事じゃなく、

二人で彩り豊かな食卓を囲める些細なことに幸せを噛み締めたりできます。

 

BLなどに興味のない人でも、

西島秀俊さん、内野聖陽さん、山本耕史さんなど演技派のイケメンぞろいですし、

結婚してない中年カップルの話として共感できる部分がいっぱいありますよ!

 

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書かせてくださいドラマの感想を

 

まさか西島さんがゲイ役を引き受けるとは。正直、美形ではないですが、女性に愛されるために存在なさってるようなセクシーな方じゃないですか!

大根とかいわれることがあるらしいですが、このドラマを見て、この人は客の見たいものを演じられる役者さんなんだなとわかりました。ふわ〜あと棒読みのようなあくびの寝起きの演技は、そんな隙のある男子的な西島さんに女子が激しく萌えるのを見込んだ監督や演出の求めに応じ演じていらっしゃるのでしょう。インタビューで、内野さんとのアドリブに見えるシーンはぶっつけアドリブではなく、リハでのアドリブを練って本番に至っており作り込んでいると仰っていました。めちゃくちゃ自然な名演技です。

クレープを食べながらはしゃぐシーンがあるのですが、もうあざといくらいにかわいいです。私は生まれて初めて巻き戻して同じシーンを2度見るという行為をしました。もうナニコレ天が遣わした宝物かよ、ってファンでもないのに好きになりました。

 

評判通り、内野さんの演技力はすごいです。NHK大河ドラマ真田丸徳川家康役で、男っぽい武士のイメージだけでなく、年齢を重ねてこんなふてぶてしい&ユーモラスの絶妙な使い分けができる俳優さんだったんだと思っていました。

ケンジというちょっとオネエがかったゲイをやるにはごっつすぎる。ピタピタセーターにホワイトジーンズを履くにはガッチリ体型だし指も太すぎる、「内野さん」が消せないのではないかと思っていましたが、もう役のケンジにしか見えない。1話目から完全に「内野さん」は消滅していました。

原作マンガでケンジが泣く時、「べそべそ」という擬態語で描かれています。内野さんが泣くとき、それはもう文字が見えるような見事なべそべそ泣きで(笑)いくらでもオネエキャラを面白おかしくして印象深くできると思いますが、監督も内野さんも西島さんもゲイっぽさを大げさにしないようにしたかったそうです。

それでも中年のカップルのヤキモチとか自己嫌悪のギャン泣きとかさりげなく仲直りするときの相手に見せる表情や声音とか、同じ中年のオバさんとしてすごく共感できる名演技でした。みんなケンジが好きになると思う。内野さん素晴らしいです。

西島・内野ときて、美形の山本さんのゲイ役は私は違和感はないのですが(原作ファンの間ではのイメージとは違ったようです)、ジルベールをたしなめる時の「わたるくん」のセリフのバージョンが多様で、わたるくんをたしなめるシーンで何回も「わたるくん」だけで進行するシーンは、もうそれだけで笑ってしまうくらい味がありました。

山本さんだけはちょっと濃い味の演出をしてメリハリをつけているのかなと思いますが、やっぱり演技が上手な人がコミカルな役をやると声出して笑ってしまう破壊力がありますね。

ジルベールくんも若手俳優さんで存じ上げなかったのですが、この人だけは本物のゲイ俳優を使ってるのかなと思ってしまったくらい自然な演技でした。

 

原作、監督、演出、役者、すべてがちゃんとハマってるとこんなにも見応えのあるドラマになるんですね。普段は日本のドラマ全然みないのですが、また見ようと思うようになりました。

野菜たっぷりみそラーメン、早速作りましたよ!