東京エスメラルダ

オトナによるオトナだましぃな日記 @田舎

2020年は不安の中で幸せを見つける年だった

人生の中で、時代の影響をもろに受けてしまう節目の時って何度かありますよね。

私は、好景気から不況に急変しものすごい就職難になったのが1度目の大きな転換期でした。いろんな将来の夢や予定を変えざるを得ず、一変した現実にそれまで持っていた価値観すら粉々になって再構築しないと生きていけなかった。

今年も非常に大きな転換期で、同じように予定や価値観を強制リセットされました。

個人的には、昨年事実婚の彼について田舎に引っ越し初の専業主婦となりました。本来なら今年中には彼の仕事やいろんな都合が片付いて、来年には外国へ移住しているか移住に向けて準備を進めている予定でした。

同じような人は大勢いらっしゃることでしょう。いろんな予定が変わってしまい、今では見通しすら立たない。非常に宙ぶらりんというか、足元がぐらぐらした状態でとにかく今をなんとか耐えなければならないというだけの不安定な状態です。

 

私はアラフォーという年齢で出会ったパートナーと新生活に踏み出し、この先に海外移住という大きな挑戦や不安を抱えながらも、それなりに現状の田舎での専業主婦生活を消化しようと努力していました。

男性に養ってもらうことへの違和感を克服したり、

 産業のない田舎でパートを探すもなかなか通える範囲で仕事が見つからず、ランニングコストを工面するための投資生活を始めたり。

自分なりに奮闘したなと思います。

 

今年1年を振り返って一言いうならば、今生きているだけでありがたいと実感していることです。生きてるだけで丸儲け。

命の危険を感じた時、それまで悩み取捨してたもっとこうなれば素敵なのにとかもっとああすれば楽なのにとか、いろんな問題はほとんどが装飾的なことに過ぎなかったと気づきます。

より良くより快適にという価値観が当たり前になっていたけれど、ああ、今この瞬間この世に存在しているだけでなんてありがたいんだ、と実感した年でありました。

 

私の個人的な環境で言いますと、田舎の古い家で都会ほど楽しいこともお小遣いを稼げるパート先もありませんが、働かなくても食べていける生活を送っています。暑くても寒くてもウイルス罹患のストレスにもさらされずに生きていくことができました。

自分の親兄弟も同じです。年金生活や仕事があり、ひとまずのところは健康で、細々としていますが絶望するほどの変化やリスクなく暮らすことができています。

 

今年でなければ、これ以上の幸せはないと気づくことはなかったでしょう。

 

SNSにふとつぶやいたことがあります、若い頃は厳しい時代だったし死ぬほど残業したし病気にもなったし結局子供もできなかったけど、年をとってから夫と田舎で今日もご飯を食べていける毎日が幸せだと。

そうしたらいくつかのリプで、苦労して来たのだから幸せが今があるんだよ、これからは過去の努力のご褒美を受け取る時期だよ、あなたの生き方の結果だよ、というような優しいコメントをもらい、ちょっと泣けました。

私のいう幸せって、遠い未来の大きな不安から目を逸らすために近場の小さなことに集中するという、一種の現実逃避のようなものだと思っていました。生きていくうちに身につけた術ですが、実際の根本的な解決は何もしていません。田舎に足止めされ、海外移住の話も頓挫、夫のビジネスの予定もコロナのおかげで完全白紙撤回です。確実に待ち受けるのは親の介護と自分の孤独死だけ。

いろんなことがダメになっていくかもしれないという、心の隅にある漠然とした不安を年の功でひとまず遠くにぶん投げて、すぐそばにある幸せを見つけることに集中せよ!と、意識的に精神バランスをとろうとしているに過ぎない。

しかしながら、見ず知らずの他人様から、よかったね、あなたは本当に幸せである、その幸せはあなたが享受して当然だよ、今こそゆっくりしてねと言われて、他人の承認など受ける必要がないと思っていたつもりだったけれど、他者承認を得て安堵している自分がいました。

価値観が根こそぎ変わると言われている今、年をとって変化についていけないのではないかと思っていました。しかし、困難な中で良い方へ感じる力というものを確実に習得していると実感しています。長く生きた力の証だと思います。

 

恋愛関係に不安を感じたときに、私のこと好き?って何度も相手に確認してしまうことってありますよね。それに似てて、幸せだなあと敢えていうことが最近は多いです。幸せだと自分に認識させることで不安を打ち消そうとしている現れだと思います。

でも、不安がなくなる日が来ないならば、自分から小さな幸せを見つけて、ああ幸せだ幸せだと言える強さを身につければいいと思いました。

私にはその強さが年相応に備わっているし、困難はあっても生きていけるさと再認識した一年だったと今年を振り返って思います。

 

最後に、

医療従事者の方はもちろんのこと、365日休みなく稼働する介護関係者、物販・物流・交通機関、日本の未来を作る子供を守り育てているお母さんお父さんたちに、心から感謝をいたします。

お題「#この1年の変化