ステイホーム中にアマプラやネトフリでアニメを観まくりましたが
今回はアプリの無料マンガを読みまくってみて面白かったものをご紹介。
(ネタバレなしで面白かった感想を書いてます)
宝石の国 市川春子/ファンタジー
今1番の推し作品、2017年にアニメ化もされている。擬人化された宝石達の星の物語で、各人に宝石(鉱石)の名前がついていて、身体的特性や性格などもそれに基づいており設定に惹かれる。初めは軽いタッチのホンワカしたソフトBLっぽい学園ものように思え(BLではなく性別という概念がない設定)、絵の線が美しく、描かれている世界も美しい。謎の侵略者が時折やってきて平和を脅かすのだが、戦いのシーンすら美しいし、宝石達の無邪気さやユーモアがとても魅力的でキャラへの思い入れもしやすい。
ところが。侵略者との戦いの中で次第にいろいろな謎が解明されていくと、無垢な美しさとは対比的な残酷さや絶望が垣間見える。それらが単に対立構造をとっているだけでなく無垢の中に内包していたりして心がだんだんザワザワしてくる。ストーリーが進むごとに心臓がギュッと痛くなって、ページをスクロールする手が止まらなくなってくる。
透明感のある絵のSFだがその深部には宗教や哲学が深く織り込まれ、解釈も複雑な大人向けの深い作品である。回を重ねるごとにお花畑と絶望のターンが加速し高低差に心を持って行かれる。素晴らしい絵や構図で描かれるこの世界観に自分がどっぷりハマっていることに気づく。
市川春子という人は一種の天才だと思う、長編はこれが初めてだと言うがまちがいなく頭ひとつ抜きん出ている作品。この後コミックスを即購入したしアニメ化の第2弾も切望する。
大奥 よしながふみ/時代ドラマ
大家よしながふみ先生による徳川歴代将軍と側室・側近たちの人間ドラマ。将軍が女で側室が男達という設定がなにより独創的で秀逸。ドラマ化や映画化もされている。
将軍によって各章ストーリーが独立している。長編で読み応えがあり、私はキャンペーンで何十話も一気読みできるときに3〜4回繰り返して読むほどハマった。
各将軍の治世によってテーマが変わり、どっぷり恋愛メロドラマもあれば政治や人の成長に重きを置いている章など、章ごとに違う面白さが醍醐味。自分は◯代将軍時代が好きなどストーリーや登場人物を絶対推したくなる。
よしなが先生の作品は(今夜なに食べる?など)繊細な心の機微を絶妙な匙加減で抜きだし、繊細な絵で見事に描写しきれている。大人向けの大変質の高い作品であると思う。
あおのたつき 安達智/時代ドラマ
江戸時代の遊郭あたりにある神社が舞台。遊女姿の子供と社の宮司で遊郭界隈の男女のさまよえる魂を救っていく物語。
この方はとにかく絵が上手い。繊細で力強い線が私はとても好み。
お話は悲しい恋物語、男女の情念、つらい生い立ちなど、遊郭に集う人たちの恨みや業が恐ろしくも美しいタッチの絵でファンタジックに描かれている。
遊郭ものは暴力シーンや悲惨な人生描写が露骨な作品も多く受け付け難いが、これは絵自体がかわいらしくユーモアもたくさん散りばめられており、ドロドロしたストーリーの行先が救済なので爽やかな読後感がある。
ゴールデンカムイ 野田サトル/ドラマ
先日ついに連載が完結した長編作品、アニメも含めた”金カム”ブームは記憶に新しい。日露戦争時代の兵士とアイヌの少女が主人公、部隊や囚人たちと莫大な金塊&少女の父親探しの旅をする。
ストーリーも面白いが、とにかくキャラクターの背景が面白い。貧しい戦時中の話で、メインストーリーの間で登場人物を形作った過去の出来事や出自が方言で語られる。私はその部分に大いに感動した。アニメ版でも方言は音声上まったく聞き取れないまま流され、日本語字幕がついていた。このあたりに作者のこだわりを感じたし、今の平準化されたように見える日本が実は地方地方で全く違う文化を持っている国々だったことを思い出した。
キャラが立っててイケメンが多く推しができやすい、全般ホンワカした下ネタが多めなので笑って楽しめる。
極主夫道 おおのこうすけ/ホームコメディ
元ヤクザが専業主夫になって、近所のおばちゃん達と共に料理や家事を完璧にこなしていく話。ドラマ化されているがこれはコミックスの方が面白い。
普通の家事がヤクザ特有の描写に変換されているところがいちいち面白い。白い粉=お掃除用の重曹、手ぇ出したらあかんヤバいブツ=インスタ映えパンケーキ、みたいな感じ(笑)
強面の夫がものすごい形相でスーパーの特売で買った普通の材料をやりくりしておいしそうな夕飯をつくっているギャップにクスッと笑えます。
ケーキの切れない非行少年たち 鈴木マサカズ/社会問題
子供を殺してくださいという親たち、という作品も併せておすすめ。引きこもり、精神疾患、知的障害、少年非行など社会的問題を取り扱った話。実際に現場でサポート活動をしている人が原案・監修をしていてリアルに描かれている。
こういう重い題材はニュースでは深堀りされず、さりとてドキュメンタリーをみるほどこちらに勇気がでない。せめてマンガでリアルな社会問題を知るにいい教材。
蟲師 漆原友紀/ファンタジー
蟲(むし)という生き物が成す事象や災いを蟲を扱う蟲師が解決していくお話。アニメ化も映画化もされている作品。日本昔ばなし的な独創的なストーリーや蟲がとても魅力的で、もしかしたら現実にあるんじゃないか?などと思いを馳せながら独特の世界観に浸れる。
まんがグリム童話金瓶梅 竹崎真実/時代ドラマ
昔の中国を舞台にした豪商の6人の妻たちの愛憎劇。セクシーシーンも多く、女性向けのソフトポルノ的な感じ。妾同士の嫉妬や策略・足の引っ張り合い・寵愛や世継ぎ・女のプライドなど、ドロドロした話が満載で飽きない。話数が多くだいたい各話読み切りで気楽に読める。
ダンス・ダンス・ダンスール ジョージ朝倉/スポーツ
少年がバレエに目覚めていくお話。ダンスシーンを絵で読んで面白いか?と思っていたが、ダイナミックな描写力でそんな心配は無用でした。淡い恋愛の要素も。
同作家の恋愛ドラマ、溺れるナイフもおすすめ。思春期の少年少女の繊細で複雑な心理が切なくておばさんも胸がキュン。登場人物が美男美女。
10DANCE 井上佐藤/スポーツ
ダンスついでにこちらも。BLですが社交ダンスの面白さの描き方が秀逸なのでハマりました。タイプの違うイケメン2人が格好いい、そんな2人が反発しながら一緒に努力して惹かれあって行って・・・っていうのがほどよい大人風味で描かれています。
ーーー以上です。
マンガはあまり読まない方で、まさかこの歳でこんなに読むとは思いませんでした。
無料アプリ様様です。
そこでの無料キャンペーンをきっかけに、面白かったものは購入しました。
心を豊かにするチャンネルっていっぱい持ってた方がいいと思います!