東京エスメラルダ

オトナによるオトナだましぃな日記 @田舎

祝福されなかった恋愛結婚。失われた敬愛。

世紀の記者会見は観ませんでしたがあとで全文を読みました。

やっと終わった・・・というのが正直な感想です。

この数年の話が終わってめでたく結婚した彼と彼女について書きますね。

 

そもそも特定の層の人にしか関心を持たれなかったことなのに。

まず、彼女についてもともと関心を持っている人は限られていたと思います。高齢者とか特定の政治思想をお持ちの方とか家庭画報を定期購読してキャサリン妃と同じ服を欲しがるような人たちですね。

でも若い人を中心に、ほとんどの人はそこまで興味を持ってなかったはずではないでしょうか。ふーん結婚するんだ、遠恋なんだ、会えなくてさみしいだろね、くらいの感想しか始めは持ってなかったと思います。

でも、彼女や彼・親の一挙手一投足を、毎日のようにニュースやワイドショーや週刊誌などでしつこいくらいにやってましたよね。司会者やコメンテーターも身内を嫁に出す親目線でネガティブに伝える、ネットニュースでも何度もこのパターンが繰り返し流される。大ニュースでもなんでもないことを、ちょっと異常なくらいに繰り返しすぎたと思います。

そうなってくると、狭い情報源しか持たない若い人たちが、えっなにこれバズってんの?誰これ?へーそんなやつなんだ、Twitterに〇〇って載ってたんだけどマジこいつありえない、XXが彼のこと△△って言ってたらしいよ!などなど・・・・。

彼女側は気軽に物事を発出できないゆえ何でも秘密のベールに包まれたまま。憶測が憶測を呼んでしまいやすい土台なうえに、報道が重大ニュースのごとく高頻度でネガティブ寄りに煽りまくったわけだから。煽り放映でネットで炎上すれば、また翌日もネタにできるから意図的に燃料を注いでるようにしか見えませんでした。この騒ぎの中でもっとも罪が重いし不愉快だと思ったのは過熱報道でしたね。彼が飛行機から降りてくるところを生放送で中継する必要なんて皆無でしょう。あんなに報道しなければ、少なくとも若い層はさほど興味を持たなかったでしょうし、憶測が一人歩きしていたずらに彼女の心を傷つけることもなかったと思います。

今回の報道の有り様は本当に再考いただきたい。観たい人も観たくない人も観られたくない人も全員が嫌な思いをさせられたような気がしてなりません。

 

家と金の話が論点ではないような気がする

騒ぎの発端って彼の親の過去の暴露でしたよね。それ以前はみんな全面的に若いカップルを祝福していませんでしたか?若いって美しいなあ、彼女のワンピースの色も素敵で幸せそうに輝いている、本当に見ていて気分がいいカップルだなぁ、文句なしにおめでとう!と。

その後もどんどん出てくる彼の親の過去、金の話、親の元恋人の証言、法定でない代理人とやらの登場、新婦の家柄、持参金の出どころの話などなど。そういう話って普通の家でもなにかしらうるさく気にする人が出てきますよね。

でも私は、これらのゴタゴタは当人の結婚の話とは別だと思っています。親が責任取らなきゃいけないことは親が自分で解決すべきだし、法律で持参金が出るって決まってるんだったら受け取って非難されることは何一つないと思うんですよね。

家柄が釣り合わないとか親の揉め事とかって、アラサー男女の結婚話に持ち込むことがナンセンスだと思うんです。税金から大金を持っていくんだからそれなりにちゃんと説明しろ!っていう論法は無視して良いとさえ思います。結婚も持参金も権利として守られてるのだから、そもそも同じリングに乗せて語つことじゃないだろうと思いました。

ネットニュースで過剰に書き込んだり、週刊誌で煽ったりするのって、本当に家柄や税金のことを問題視してるんじゃなくて、非難めいたことを正当化できる便利なツールとして家だの親だの税金だのって立て付けを利用してるだけだと思います。悪口言えれば燃料は何でもいいワケです。

非常に情報網が限られている環境の彼女がネットでうっかりエゴサーチをし、いろいろ変なものを読んでしまい強いストレスを感じたのでしょうけれども、一部の報じる側と一部の特殊な視聴者がワーワー騒ぎ立ててるだけだからあまり気にしなくていいよと思いました。おばさん、親戚の娘さんになら直接そう言ってあげたいです。

私の周囲半径2mくらいのリアルな井戸端会議ではそんなネタで彼らを悪く言っている人はだれもいませんでした。みんなの論点や懸念は全く違うポイントだったと思います。

 

問題対応のやり方にただ失望した

私個人の意見、半径2mくらいのリアルな井戸端会議の中の話ですけれど。

そもそも親のこととか金のことは問題視してなかった。親の元恋人の証言なんか正直に言ってどうでもいい(弁護士もつけずに週刊誌にいいように利用されているだけだとみんなわかっています)。素敵な婚約発表でみんな喜んでるのにつまらないゴシップ掘り返しやがってと冷めた反応がほとんどでした。

でも次第に彼らを応援する気持ちが冷めていったのです。それは他でもない、誤解にまみれたゴシップでもひどい妄想話のせいでもなく、問題に対する彼らの対処の仕方のせいでした。彼らの出すコメントの内容は毎回理解しづらく、徐々に私たちを失望させました。

彼の、とは書きません。彼の言動は全て彼女の指示、とのことなので「彼ら二人の」対応です。夫婦となるアラサーの男女二人の問題解決の仕方が、社会通念上として不可解であり、年相応とは思えない非常に一方的な印象を持ちました。何度か本人と法定代理人による公式のコメントの機会がありましたが、回を重ねるごとに理解するどころか不可解さが増幅し、祝福していた多くの人までが失望していったと思います。

彼女や彼女を含む特別な存在の人たちのことを、なにげにみんなは敬愛しています。婚約発表以降、みんな我が事のように娘や親戚や妹や姉や友達に重ねて彼女たちの幸せを願っていました。だからこそ二人の対処の仕方に対して失望も大きかったのだと言えるでしょう。

祝福したい人も多かったはずですが、我が娘や孫や友達に重ね合わせて親身になって一連の騒ぎの彼らの対処方法を見守ってきた正直な感想は「先行き不安」でした。

彼らから正式なコメントが出されるたび、えっなにその言い分どういうこと?そんな論法で問題解決できるとは思えないけど大丈夫かな?と不安な気持ちになりました。アラサーならもう大人だし、たぶんもっと上策はいくらでも考えられるはずなんだけど、彼らのやり方では解決の方向に向かっていくとは到底思えませんでした。法的に正しいかどうかではなく、困難をどのように乗り越えるか、問題をどうやって収拾するか、それをみんなは注視していたのです。

うちの家族や友達だったら、菓子折りの一つでも持ってあの時はお世話になりましたおかげさまでやっと親孝行ができそうですと頭を下げに行かせるだろうとみんな言います。なぜそういう心配りをせずにいきなり四角四面の法律問題にしてしまって問題を派手に大きくしてしまうのだろう?わざわざ怨恨が残るようなリスクをおかすのだろう?1日でも早く円満解決に向けて収束させてしまわないのだろう?と不思議に思いました。実際にお金を借りていようがもらっていようがどちらでもよくてそれは問題じゃない、世話になった義理のある人に感謝の気持ちを伝えれば済む話だ、”正しさ”や”名誉”を最優先にしてその結果恋人を待たせたり悲しませるのは決してベストなやり方じゃないと。

そうして、結婚するにあたり備わっていて欲しいレベルの解決力がないのではないかと多くの人が感じた。彼に、いや二人に対して。しかし残念ながら、このことと彼らが論点としていることとの認識のずれを最後まで回収できなかったなと思います。

 

失われた敬愛。

彼らももう放っておいて欲しいと思っているでしょうが、私たちももう実はかなりうんざりしています。SNSなどでは、もういい加減話題に出さないでくれ、この件ミュートしたいなど、かなり嫌厭ムードになっているように感じます。

異常な報道やいちいち反応して垂れ流される大量の無責任投稿にうんざりした人がしばらくTVやネットを見ないで過ごしています。そして彼ら自身のコメントや発表や表明の中身に釈然としないまま、親身になって感じた不安が払拭されないまま、遠く離れた場所へ娘を送り出したような気持ちになった人もまた、不安な感情自体をもう手放したいと思っています。

私が今回のことで一番残念だなと思ったのは、彼らの今までのコメントや対処の仕方・最後の会見などを観た比較的若い人たちに、彼女や彼女を含む特別な人たちに対して「敬愛の対象から外れた」という意見を持った人が少なからず出たことです。

「元々そんなによく知らなかったけど恋人同士が愛を貫いて結婚できて良かったなと思ったのに、会見を観ていたら二人の受け取り方に違和感を感じた」「まるでみんなが彼らを攻撃してるような、あちらとこちらで敵対してるみたいな壁が感じられた」「日本人として気持ちの底にぼんやりと持っていた親しみのような感情がなくなった。これからは彼女や彼女の実家の人たちに親しみが湧かないと思う」「拒絶されてるようでなんだか悲しくなった、だからもう知らない」と。これはリアルな私たち側の感情だと思います。そんなつもりないのに傷ついた顔されて逆にこっちが傷ついた、なんか不愉快だどうでもいいや、って。

これってとても残念なことだと思うんですよね。敬愛って一朝一夕には形成できない、彼女の祖先やその周囲の人たちが長年努力して作り上げてきた大事な距離感・空気感・感情です。今回のことで少なからずそれらが私たちの心から失われました。本人たちには不要なものかもしれませんが、今回のことで彼らが失ったものは決して小さくはありません。溝、分断、断絶、と表現した人もいました。これは彼女の実家まわりの方々にとっては重要な問題だと思います。

そこまでして手に入れた愛です、どうぞ静かに、末長く幸せに、育んで行かれますよう。