東京エスメラルダ

オトナによるオトナだましぃな日記 @田舎

後継者のいないアラフォーの不動産問題は詰む。

独身や子なしのアラフォーの皆さん、物件ってお持ちですか?

30代後半くらいから独身や子なし夫婦といった、いわゆる後継者がいない知人たちが家を持ち始めるのを見て、その家将来どうするんだろう?って素朴な疑問が生じています。

 

うちは子なしで、夫婦とも将来実家を相続することが決まっています。東京で高い家賃を払いながらも家を買う気になれなかったのは、ずっと同じところで長く済むライフスタイルではないからです。今は仕事で海外を含めた異動がある年代だから賃貸で良い、逆に物件を持ってしまうと足枷になる。何かの理由でお金がなくなっても最終的には実家に住めば良いし、そもそも夫婦ともに売却益や家賃収入を見込んで投資として不動産ローンを組む勇気が持てないタイプです。

 

知人のAさん夫婦の話。

ご夫婦ともに一人っ子で将来はご実家を相続予定、しかも別荘までお持ち。そして自分たちが住んでる都心マンションの他に、歳を取った時に実家の近くで住む用のマンションを新たに買うなど、予定も含めてご夫婦2人で5軒の物件をもつことになるという状態でした。もちろんローンも一緒に。

そのうち親御さんが施設に入ったり亡くなったりして、誰も住んでない空物件だらけに。自分たちが住むのに必要なのは1軒だけ。貸したり売ったりするつもりだったけど思うようにいかないと聞きました。その間、空き家でもローンや税金や管理費などを支払い続けるのです。住むのは1軒なのになぜそんなことに?(^_^;)

 

兄弟が親の介護とともに実家を相続すると決まっている場合は、自分の居場所を確保する必要がありますよね。加えて、仕事も異動がなくずっと同じ場所で生きるなら、どうせ支払うなら賃貸より所有する方がいいと考えるのも納得できます。

例えば医師の友達は、お兄様が実家の病院を継ぐので自身は違う地方の郊外に家付の医院を開業しました。家と院で子供の代までの長期ローンだそうです。自身でできるだけローンを減らすように仕事を頑張るが、子供の誰かを必ず医者にならせてローンごと院と家を継いでもらわねばならないそうです。ファミリービジネスは受け継ぐ方も大変そうですが(笑)このような事情ならアラフォーから家を買うのは順当だと思えます。

 

独身の友達Bさんの話。

最近、実家の近くに広めの1LDKマンションを購入。結婚はもうしないだろうし、なにかあればすぐ実家に帰ってあげられる距離だからと。安定した職についているのでローンが払えるし、親に多少のお金を出してもらって40代半ばで決断したそうです。この話を聞いた時、えっなぜ今頃?と私は思ったんです。

その年齢まで実家に住んでいたなら、もう今更ローンを背負って独立しなくてもいいんじゃない?兄弟も近隣に住んでいるので親の介護は協力して行うにしても、それぞれが自分の家を持ったら実家がまた余りますよね。自身が60歳前後の時親の介護が始まるとしたら、仕事をしながらローンを払いながら親の家に通って介護をするのだろうか?一時的に実家に住むのだろうか?父親と母親を兄弟間で分けて、それぞれの家に引き取るのだろうか?施設に入れるのだろうか?やっぱり実家が空きますよね。

そして介護も終わりBさんが定年退職し70歳くらいになった時、買ったマンションは築25年を超えます。Bさんが自分で最終的に高齢者施設に入るとしても、地方の郊外の築年数の古い1LDKがいくらで売れるんだろうか?

 

私はこの辺の計算が苦手なのでなかなか不動産を持つことができないでいます。

家の管理ってお金がかかると思っていて。戸建てならあちこち直すのに数十万単位で費用がかかり、屋根や間取りをいじるとそれこそ数百万かかります。マンションも、ローンを完済していても管理費・修繕積み立て費や駐車場代は毎月払わねばなりません。うまく賃貸に出せたとしても修繕費はかかりますし遠方だからと管理を業者に託せば手数料も払わねばなりません。家の管理って大変!ってとにかく私は思うのです。

 

資産家の親を持つCさんの話。

経営者だった親には金品といくつかの不動産を合わせて数億円分の遺産があったそうです。すごい!Cさんは自分が相続した分の不動産は、とにかく売れる値段で全部売却したそうです。業者を呼んで売れるものは売り、税理士をつけて支払うものを払い、文字通り跡形もなく処分されたそうです。持っているのは現金や証券などの流動資産と、自分たちが若い時に建てて現在も住んでいる一軒の家だけ。

もう定年退職されており子供も独立していますが、老後はお子さんと同居は考えずに夫婦で介護付きの高級老人ホームに入るつもりで既に予約をしていると。子供も独立しているため最後には今住んでいる家すら売り、介護事業所が併設されている高齢者向け分譲マンションを買って終えるというプランです。

お金がないとできないプランですが、最期まで所有する不動産は自分が住む1軒だけってところが私にはわかりやすい将来設計だなと思いました(笑)

 

そもそも、家ってそんなにすぐ売れたり貸したりできるものなんでしょうか?もちろんある程度はそれを踏まえて購入するのでしょうが、想定通りに進むのかどうか。価格を下げてでも赤字にならなければばまだマシで、とにかく売れない借り手がない場合はコストと手間だけがかかり続けますよね。

バツイチの友達は離婚の際に住んでいた戸建てをもらいましたが、地方の郊外で何年経っても売れず、独身に戻って都心に働きに出たくても借り手もつかないので自分が居住するしかなく、通える範囲では仕事がなく都心へ派遣に出ても自己負担の交通費が高くついて大変困る、こんなことなら家を渡して現金でもらっておけばよかったといいます。

Aさん夫婦は5軒の物件のうち都心マンションの1軒だけ売れたそうです。残りの4軒は田舎で売れそうもなく、しかも別荘が実は借地だったそうで、所有権がないどころか自分たちが老齢になる頃建物を取り壊して所有者に返さねばならない、そのコストは1,000万ほどかかるらしい。うわー!

景気の良い時代であれば不動産を持っていればとりあえず価値があったのでしょうけれども、バブル・リーマン・コロナでトドメをくらった日本では負の資産になりがち。私は高齢の親に、田舎の親の実家(故・祖父母の家)は生きてるうちに叔父叔母と話をつけて頼むから処分してくれと言っています。それが最期の子としての務めであり親としての務めでもあると!(たぶん馬耳東風)

実家のマンションは、地方でも都市部なので古くてもそれなりに買い手はあり、値段を安くすれば処分できそう、今なら。しかしこれが自分が歳をとる頃になると築40年超えになり、売却できても老人ホームの入居一時金にもならない値段でしょう。夫を見送ったあと実家に帰り、もう自分が死ぬまで住む選択しかなさそう=孤独死確定(つД`)ノツライ

以上、後継者のいない人の不動産問題はどう考えても詰む、という話でした。